いのりのはなし
今回、私たちはこの作品を通して様々なリサーチやフィールドワークを行いました。
文様といのり
本作品は、伝統的な引き染めの技法とデジタル技術を組み合わせ、文様の装飾としての魅力はもちろん、現代ではあまり意識しなくなった自然とのつながりや由来など、新しい「いのりのかたち」を体感できるインスタレーション作品です。文様の型が投影された布に、体験する人がはけを使って色を塗っていきます。塗り進めると、色が広がっていき、布全体が染まっていきます。その後、さまざまな祈りや願いが込められた文様が、命が吹き込まれたように動き出します。
続きを読むいのりをかたちにする「引き染め」
作品の体験要素として「布を染める」という行為があります。本作品で使用しているのは「引き染め」といわれる技法で、作品のビジュアルでも見られるように長い布の両端を木の柱に結んで固定し、はけを使って布に染料を塗っていきます。布には文様を出したい部分にのりで型取りがされており、染料を塗った後で布を洗い流すとのりの部分には染料がのらずに文様が現れるという仕組みです。この技法は宮城県の工芸品である「常盤紺型染」という染め物から着想を得ました。
続きを読むデジタル表現で動き出す文様
本作品は、布に対して文様の映像を投影し、はけを持って布をこすると、映像の中の文様に色が塗られます。はけを持った手の動きを測域センサーが捉え、位置を追跡します。手の位置をUnityに送信して、CG上のテクスチャに色を塗ります。一定の面積を塗ると、色が広がり、文様のアニメーションが始まります。
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